環境問題対策として今注目を集めているのが「電気自動車」です。
電気自動車はCO2を排出しないため地球温暖化や大気汚染を抑制できるということから、各国が法整備や補助金など電気自動車の普及に力を入れています。
そんな電気自動車は従来のガソリン車とは異なる点が多くあります。
たとえば「充電」があります。
これまでのガソリン車はガソリンスタンドに行き給油をしていましたが、電気自動車は家でも充電が可能になります。
今回は電気自動車を家で充電する方法について解説していきます。
目次
電気自動車とは?
これまでの車はガソリンを燃料として車を走らせていましたが、電気自動車は電気をエネルギーとして車を駆動させます。
車に搭載されたバッテリーに電気を充電して、エンジンの代わりとなるモーターに電気を供給して走行のパワーとします。
電気自動車の詳しい解説については、こちらの記事に詳しく紹介していますので是非ご覧ください。
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電気自動車の充電はどこでできる?
これまでのガソリン車の燃料補給はガソリンスタンドで行っていましたが、電気自動車はどこで充電を行うのでしょうか。
電気自動車の充電方法は大きく分けて2つあります。
充電スポットを利用する
1つ目は「充電スポット」です。
充電スポットはカーディーラーや商業施設、サービスエリアなどに設置されており、全国に約22,000カ所存在しており、年々増加傾向にあります。
※2022年8月現在
充電スポットは専用カードを持っていれば、基本的にどのメーカーの車種でも使用できるようになっています。
また、月額料金制や従量課金制など、契約プランによって利用料が異なるものも留意しておきましょう。
さらに、充電スポットによっては無料で利用できるところもあるので、お得に利用したいなら無料の充電スポットを探しましょう。
自宅で充電する
ガソリン車と電気自動車の大きいな違いは電気自動車は自宅でも稼働させるためのエネルギーとなる電気の充電が可能ということです。
ガソリン車はガソリンスタンドに行かないと燃料の補給できませんでしたが、電気自動車は家での充電が可能になります。
車を使わない時間や夜間電力を使って安く充電をするなど、電気自動車は家で充電をすることが将来的に一般化していくでしょう。
今回は時間とお金を有効に使える「家での充電」についてご紹介していきます。
家で充電をするメリットは?
電気自動車を家で充電できるようになると、時間やお金の節約などメリットが得られます。
家で車を充電する場合、どのようなメリットがあるのかみていきましょう。
充電時間を有効に使える
ガソリン車であればガソリンスタンド行き、10分ほどで満タンの補給が完了します。
しかし、電気自動車は一般的な充電器だと満タン充電までに8~11時間、急速充電器でも20~40分ほど掛かります。
そのため「充電に時間がかかる」ことが懸念されていました。
しかし、車を使っていない時間をうまく活用すれば、気兼ねなく充電することができます。
たとえば、家に帰った後に車に専用ケーブルを差し込んで放置しておけば、夜の間に自動的に充電されます。
車を使わないときに充電すれば、わざわざ充電スポットに行かずに済むので、充電スポットを探す苦労や充電切れの心配も解消できるでしょう。
いつでも充電できる
充電スポットは年々増加傾向にありますが、まだガソリンスタンドと同じくらい普及はしていません。
そのため、充電スポットへ行くために長距離を走らせないといけないこともあります。
また、電気自動車は充電が長いため充電スポットを見つけたとしても長い順番待ちをしなければいけないこともあります。
このように、電気自動車の充電はいつでも好きなときにできるとは限らないのが現状です。
しかし、家で充電が可能になれば充電スポットまで長距離を走ったり、充電の順番待ちをしたりなどのストレスからも解消されます。
安く充電できる
充電スポットでの充電には「充電認証カード」というものが必要になります。
充電認証カードとは各自動車メーカーや関連企業が提携して発行しているもので、月額制の会員カードとなります。
充電認証カードでの充電費用は、おおよそ下記の通りとなります。
充電認証カード 月額使用料金
- 入会金/登録料:約1,500円
- 普通充電器の月額費用:約500〜2,500円
- 急速充電器の月額費用:約1,500〜5,000円
時間当たりの費用
- 普通充電器:約70〜150円 / 1時間
- 急速充電器:約250〜600円 / 30分
※30分の急速充電で約80%の充電が可能。
これに対して家での充電は契約する電力プランによって異なりますが、15~25円/kWhが相場となっています。
40kwhバッテリーを搭載した車の場合、満タン充電には600~1,000円かかることになります。(走行可能距離は約320km)
家で充電ができるようになれば入会金や月額費用なども不要となり、日中より安い夜間電力で充電をすれば、さらに節約することもできます。
家で車の充電ができるようになると、電気代やランニングコストの節約にもなります。
家で車の充電をするには何が必要?
電気自動車を所有する方には、時間もお金も節約できる家での充電はおすすめの方法です。
それでは、家で充電ができるようになるにはどのような準備が必要なのでしょうか。
充電スタンドの工事
家で充電を行うためには、「充電スタンド」の設置が必要になります。
駐車場にコンセントがあっても、電気自動車は通常のコンセントと異なりロック機能がちゃんと機能しないと火災が起きる可能性もゼロではありません。
そのため、充電スタンドの設置には電気工事士の資格を持っている専門業者での工事が必要です。
充電スタンドの設置は、下記のような流れとなります。
- 充電スタンドの設置場所の決定
- 配線ルートを決める
- 配線工事
- 充電スタンドの設置
家に充電スタンドを設置する費用は?
充電スタンドのタイプには、主に3つの種類があります。
それぞれの特徴と目安となる費用をご紹介します。
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コンセントタイプ・壁面取り付けタイプ
コンセントタイプは設置工事が簡単で工事費用が一番安いタイプとなります。
壁面のコンセントから電源を取り、充電を行う方法です。
コンセントからケーブルをつなぎ充電するコンセントタイプと、充電ケーブルと充電設備が一体となった壁掛けタイプがあります。
工事費用はケーブルの長さや設置場所により異なりますが、コンセントタイプは約10,000円~、壁掛けタイプは約50,000円~が目安となります。
スタンドタイプ
スタンドタイプは、充電スポットでもよく見るような形状のものとなります。
スタンドタイプはデザイン性もよく、駐車場と家の距離が離れている場合には有効なタイプとなります。
製品によっては複数台の充電も可能なタイプもあるため、電気自動車を2台持ちする場合は必須となるでしょう。
工事費用は充電スタンドのタイプにより変わりますが、約150,000円~が目安となります。
V2H機器
V2Hは「Vehicle to Home」の略称で「車から家へ」といった意味です。
電気自動車は、車に充電した電気を家庭の電力として使うことも可能となります。
電気自動車を蓄電池として利用したり、災害時の備えとして車の電気を家庭用に使えるようにしたりできるもの新しい車の形となります。
このように車と家庭の電気を繋げる際には、「V2H機器」が必要となります。
設置費用は500,000~1,000,000円ほどであり、ほかの充電スタンドに比べて割高です。
しかし、夜間電力を車に充電して日中に充電した電気を使って電気代を節約する方法もあったり、災害時のために備えたりと検討してみる価値のあるタイプとなります。
まとめ
電気自動車は充電の課題が指摘されることも多いですが、家で車の充電ができるようになると課題が解決できるだけでなくメリットも得ることができます。
電気自動車は車として使用するだけでなく、V2Hのように蓄電池として災害時の備えにもなります。
電気自動車の購入をお考えの方や電気自動車をお持ちの方は、費用対効果が十分期待できる家での充電について検討してみてはいかがでしょうか。