近年、格安車検を取り扱う業者がさらに増加していることをご存知でしょうか。
専門店や費用が安い業者が増えており、近年注目されています。しかし、「格安車検は危ない」と感じている方も少なくありません。
そこで、格安車検が安い理由や特徴に加え、メリットやデメリットなどを、現役の自動車整備士がわかりやすく解説します。
目次
格安車検とは?
格安車検とは、ディーラーや自動車整備工場による車検と比べ、格安料金でおこなう車検のことをいいます。
格安車検は車検専門店をきっかけに、ガソリンスタンドやカー用品店などでも取り扱うようになり、最近では、中古車買取店にも広がっています。
ではなぜ、車検を格安でおこなえるのか、理由を見ていきましょう。
安い理由とは?
格安車検がディーラーなどよりも安く車検をおこなえる理由は、作業内容を車検に特化していることが最大の理由といえるでしょう。
格安のために車検に特化することで次のような利点があります。
- 基本的に付加作業や予防整備をおこなわないため作業が早い
- 効率よく多くの台数を受け入れられる
- 設備コストを下げられる
そのほか、各社の企業努力もあり、格安車検を実現しています。
格安車検は危ない?
結論からいうと、格安車検だからといって、危ないとは限りません。
先述した通り、格安を実現しているのは車検に特化しているからであり、車の安全に関わる点検や整備の項目を省略したり、手抜きをしているなどということはありません。
しかも、事業所が車検をおこなうには、国土交通省が管轄する各地方の陸運支局の承認が必要になります。
格安車検とはいえ、国に認められた事業所が車検の規定に則って業務をおこなっているので、安心して車検を受けられるでしょう。
格安車検のメリット
ディーラーで車検を受けるときは、高額な費用がかかることに加え、車検完了までに時間がかかってしまいます。
しかし、格安車検の場合、ディーラー車検よりも短い時間で車検が完了し、費用も安く抑えられます。
そのほか、さまざまなメリットがあるので、ここでは格安車検のメリットを詳しく見ていきましょう。
費用が安い
軽自動車から普通車まで、排気量ごとに基本価格を提示していますが、どの排気量域でもディーラーなどの通常車検より格安になっております。
また、早割り予約や景品贈呈などの特典が多いのも特徴です。
スピーディー
入庫から出庫まで作業の効率化が図られており、受け入れ点検、点検整備、完成検査までの一連の流れがしっかり管理されているため、スピーディーな作業が実現しています。
そのため、格安車検では1日で車検が完了する「1日車検」を基本としています。
過剰整備を防げる
過剰整備とは、不必要な整備を行い費用を請求することをいいます。
格安車検では、必要最低限の整備しかおこないませんので、過剰整備になることはありません。
しかし、お客様から依頼があれば、オイル交換などの追加作業もしっかりおこないます。ただし、事前見積りの時点で伝える必要があります。
楽天ポイントがもらえる
事前予約が必要な格安車検ですが、直接店舗に予約を入れるより、楽天車検のサイトから予約を入れる方がお得です。
楽天車検のサイトから進むとあなたの街の格安車検業者が表示されます。そこから予約を入れ、車検を受け、クチコミなどの条件を満たすと、それだけで楽天ポイントがもらえるのです。
もちろん、そのポイントは通常の楽天ポイント同様にお買い物などでも使用できますのでとてもお得です。
格安車検のデメリット
車検に特化しているのでディーラーや自動車整備工場のようには修理作業ができない場合があります。
ここからは、格安車検のデメリットについて、紹介します。
最低限の検査
格安車検での整備や検査は必要最低限の作業となりますが、決して手抜きや省略があるわけではありません。
車検に関わる部品に不適合箇所があれば、交換作業などの整備はしっかりおこないます。
しかし、オイル交換や下回り塗装などの予防整備を基本的にはおこないません。
すぐに部品交換できないことがある
事前予約の際に見つけられなかった不良箇所で部品交換が必要になった場合、部品の在庫を持たないため、すぐに対応ができないことがあります。
その際は、部品を取り寄せてからの交換になりますので、1日で完了しない場合があります。
対応できない修理がある
格安車検業者であっても、車検に関わる修理や部品交換については、ほとんど対応できるのが一般的ですが、電装部品などを交換したときに、初期設定が必要な場合や、エラーを解消するための作業が必要なときもあります。
しかし、初期設定やエラー改善などは、ディーラーや機材を備えた工場でしか作業できないことが多く、格安車検の工場では対応できない場合があります。
格安車検とディーラー車検ならどっちがいい?
格安車検はディーラー車検よりも費用を抑えられるのがメリットですが、結局どちらを選べばいいのでしょうか。
ディーラー車検では、2年後の車検まで故障なく乗れるように整備するのが一般的です。故障の予防のために、オイル交換やエレメント交換、下回り塗装などの予防整備をおこない、車のコンディションを整えます。
車に関してあまり知識のない方や、安心してクルマに乗りたい方にはディーラー車検をおすすめします。
一方、格安車検は、現在の状態で車検に通る整車備をおこないます。
必要最低限の整備なので、車検の費用をできるだけ抑えたい方や、乗り換えを検討している方には格安車検がおすすめです。
格安車検とディーラー車検では、それぞれの基準が異なるので、メリット・デメリットだけで選ぶことは大変難しくなります。
そのため、自身の経済状況や車の状態を考慮して、車検業者を選ばなければなりません。
まとめ|車検は金額だけで選ばないほうがいい
車の車検が2年に1度と定められているのは、「故障が事故の原因にならないように」「故障車が交通の妨げにならないように」などと、国民の安全を守るのためにつくられた制度だからです。
したがって、費用が高いか安いかだけではなく、メンテナンスをどうするかという視点で選ぶことが大切になってきます。
最近では、ディーラーや格安車検どちらでも、見積りは無料でおこなっている店舗が多いので、費用面からメンテナンスについてまで、事前にしっかりと相談することが大切といえます。
なお、格安車検業者によっては、ディーラーと同等のメンテナンスプランを用意していることもあるので、追加費用さえ支払えば、格安車検業者でもしっかりとメンテナンスを受けられるでしょう。