自動車はガソリン代やメンテナンス費用など維持費がとてもかかります。
なかでも、「自動車税」は1年に1度、必ず納めなければならない税金です。
毎年5月に「納付書」が届くのが一般的です。しかし、すぐには払わなかったり、あるいは払えずに税金を滞納してしまったりする方もいるでしょう。
ただ、税金を滞納すると、想像よりも高いリスクが潜んでいることをご存知でしょうか。
ここでは、自動車税を滞納するリスクと猶予制度についてわかりやすく解説します。
目次
自動車税の滞納にはどんなリスクがある?
そもそも自動車税とは地方税のひとつなので、納付が義務付けられています。
もちろん、税金を滞納してはいけませんが、さまざまな理由で滞納してしまうこともあるでしょう。
ここでは、自動車税の滞納にどのようなリスクがあるのかを紹介します。
税金を払わないと車検を受けられない
車検を受けるときは、自動車税を納付しているかを確認されるので、自動車税を滞納していると車検を受けられません。
ただし、車検までに滞納していた税金を支払えば、問題なく車検を受けられます。
税金を滞納すると延滞金が発生する
税金の納付期限を過ぎると、延滞金が発生します。
通常、納付書が届いた翌月から延滞金が加算されるので、滞納期間が長いほど、どんどん加算額が増えるので注意が必要です。
しかし、1000円未満の延滞金は切り捨てになることから、実際に延滞金が加算されるのは約4か月後になるのが一般的です。
もちろん、自動車の排気量で税額が変わるので、一概にはいえませんが、排気量が1,000cc〜2,500ccであれば、3〜4ヶ月後、さらに排気量が多くなると延滞金額も高額になることから、もっと早い段階で加算されます。
税金を払わないと車を売却ができないことがある
車の売却時の確認書類に自動車税の納付が含まれるので、納税を確認できなければ、書類不備で売却できないことがあります。
「3月に売却すれば税金がかからない」といわれることがありますが、自動車税は5月に1年度分の税金を先払いするので、次年度分が掛らなくなるという仕組みです。決して、税金を免れる訳でも、得をしている訳でもなく、それまで未納であれば支払わなければなりません。
財産が差し押さえられることがある
自動車税の滞納が長期化すると財産を差し押さえられることがあります。
その地域によって異なりますが、9月〜翌年1月頃に差し押さえが実行されることが多くあります。
ただ、納税通知から差し押さえまでなにもない訳ではなく、それまでに行政手続きの順番があります。
それは、「納税通知→督促状→催告状→差押予告通知→差し押さえ」といった順になります。
実際の差し押さえは、勤務している会社にも連絡が行き、給与の一部を差し押さえられたり、自動車を差し押さえられることになります。
差し押さえまでとなると悪質な滞納者に対するものになるとは思いますが、そうならないためには、税事務所に対してこちらの誠意を示さなければなりません。
自動車税の支払いは待ってもらえる?
ここまでで、滞納のリスクは十分に理解できたでしょう。
しかし、さまざまな状況や理由で、税金を滞納してしまうことも少なくありません。
実は、自動車税には、支払いを待ってもらう制度があるのです。
税金の支払いを待ってもらうためには、申請と認証が必要になります。
ここからは、その大切な認証を受けられる理由を確認していきましょう。
徴収の猶予
税金の徴収を待ってもらうことを「徴収の猶予」といいます。
次の要件に該当する際は、一時的に徴収の猶予を受けられる場合があります。
- 財産につき、火災や風水害などの災害を受けた、または盗難にあった場合
- 生計を一にする親族などが病気または負傷した場合
- 事業を廃止または休止した場合
- 事業について著しい損失を受けた場合
などがあります。
さらに、最近では新型コロナウイルス感染の影響を受けて納税が難しいときも猶予される場合があります。
いずれの場合も、あくまでも都道府県の税事務所に申請をし認証されなければならないので、事前に確認が必要になります。
申請による換価の猶予
まず、換価とは、差し押さえた財産を売却しその売上で納税とすることで、差し押さえて売却するまでの猶予期間を「換価の猶予」といいます。
こちらも対象となる条件があるのでご確認ください。
- 換価による納税により事業または生活の維持が困難になるおそれがある場合
- 納税について誠実な意志を持っている場合
- 自動車税以外に地方税の滞納がない場合
- 自動車税の納期限から6か月以内に換価の猶予申請書が出された場合
などがあります。
納税に対する誠意や、猶予申請書など、こちらの姿勢をきちんと示すことが猶予を受けるためには大切になってきます。
まとめ|自動車税や軽自動車税を滞納すると、財産を差し押さえられる
軽自動車税の説明が最後になってしまいましたが、会社勤めであれば住民税と一緒に支払うことになるので給与から引かれます。
納付書で納税の方は、自動車税と同様にご自身の意志で納税しなければなりません。
自動車税をやむを得ず滞納することになってしまっても、納税事務所に支払いが遅れる旨をしっかり連絡することが大切です。
それでも、延滞料金が掛かってしまうのは避けられないのかも知れませんが、勤務先に連絡されたり、財産を差し押えられるような法的措置は避けられる可能性が高いようです。
いずれも、地域によって差があるので明確にしたい場合は管轄の納税事務所に確認が必要になります。
自動車を持つ以上、毎年やってくる自動車税、できるだけ延滞料金が加算される前に支払いたいものです。